ミューロンはドール・カーカム式と呼ばれる凹楕円主鏡と凸球面副鏡を組み合わせた設計の反射式望遠鏡です。ドール・カーカム式では視野中心の球面収差がほぼゼロとなり、周辺に行くにつれコマ収差が大きくなるような見え方が特徴となっています。非常にシャープな中心像が得られるので、主に月や惑星の観望や撮影に適した望遠鏡です。
この鏡筒は初代、その次の7倍50mmファインダー仕様の流れを汲むコンパクトな鏡筒であることからミューロン180C鏡筒としています。鏡面は現行のイプシロンやミューロン反射望遠鏡に採用されているHR多層膜コートが施され、旧型のμ-180鏡筒よりも反射率が約7%向上しました。また、接眼部は2インチ対応のTSC接眼体が標準装備となっています。これによりMフラットナーレデューサーや四頭ターレットレボルバー31.7Dなどが直接取り付けられるようになりました。
※Mewlon180Cをμ-180C、ミューロン180C、M-180C、Mewlon-180C等と表記することもあります。
※鏡筒本体とファインダーの対物・接眼キャップが付属します。
主鏡バッフル内には多くの遮光環が設置されています。迷光を遮断し、コントラストを高めることに効果を発揮しています。
取っ手としても使用できるファインダーが装備されています。鏡筒には強固に取り付けられており、取り外すことはできません。ファインダー脚の意匠が変更され、初代よりも握りやすくなりました。
架台への取り付けはアリガタ・アリミゾ式になっていますので、容易に脱着ができます。アリガタの金具は鏡筒に取り付けられた状態で出荷されています。アリミゾの金具はアリミゾ(小)が鏡筒に付属しています。アリミゾ(小)はEM-11等の35mm間隔のM8ネジ穴が2箇所あけられている架台に取り付けられます。
主鏡を移動させることでピント合わせを行う機構が採用されています。50.8アダプターの横にある合焦ハンドルで操作できます。
ミューロン180C鏡筒はそのままでは像が暗く、コマ収差が比較的大きいため直焦点での星野撮影にはあまり適していません。しかし別売のMフラットナーレデューサーを併用することで像を明るくしコマ収差の改善ができますので、星野撮影にも十分対応できます。焦点距離1,760mm、F9.8に明るくなります。イメージサークルはφ30mmです。カメラの接続には別途カメラマウントDX-WRが必要になります。
■Mewlon180C 直焦点
■Mewlon180C +Mフラットナーレデューサー
天体写真作例は こちら
主な仕様 | |
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形式 | ドール・カーカム |
有効口径 | 180mm |
焦点距離 | 2,160mm |
口径比 | 1:12.0 |
分解能 | 0.64" |
極限等級 | 13.0等 |
集光力 | 661倍 |
鏡筒径 | 210mm |
鏡筒先端部の外径 | 210mm |
全長 | 625mm |
メタルバック(*) | 67.2mm |
質量 | 約6.2kg(アリミゾ(小)含む) |
ファインダー | 6倍30mm |
付属品 | アリミゾ(小)、工具 |
備考 | ファインダー固定式 |
(*)50.8アダプター後端より焦点面までの距離 | |
Mフラットナーレデューサー 併用時 | |
焦点距離 | 1760mm |
口径比 | 1:9.8 |
イメージサークル | φ30mm(光量60%) |
メタルバック | 56.2mm |