1台のカメラ内に撮像用とオートガイド用の2個の撮像素子を搭載した冷却CMOSカメラです。中央にASI2600MC Proでも採用されている「Sony IMX571」、その脇にASI220MM Miniでも採用されている「SC2210」を搭載しています。撮影している領域のそばにある恒星をガイド星として使用することができ、1本の鏡筒と1台のカメラで撮影とオートガイドを同時に行うことができます。ガイド用の鏡筒やカメラと接続ケーブルを用意する必要がなく、シンプルな構成で運用することができます。
メインセンサー
撮影用の撮像素子は解像度6,248×4,176、ピクセルサイズ3.76μmの裏面照射型のAPS-CサイズカラーCMOSセンサーで、0.9eという極低読み出しノイズ性能50keのと高い飽和電荷容量(拡張モード時は73ke)を実現しています。
16bitADC
搭載されているADCは16bit(出力は14bit)のもので、14ストップのダイナミックレンズを持つ画像を出力可能です。豊富な諧調を持ち、より自然な画像が得られます。
基本性能
ゲイン値を0未満に設定することで飽和電荷容量の拡張ができ、明るい対象の撮影時に飽和しにくくさせることができます。ゲイン0以上での挙動はASI2600MC Proと同様です。ディープスカイ イメージング中はゲインを0または100 に設定することをお勧めいたします。
ゼロ・アンプグロー
画像周辺部で発生するアンプグローを抑制するゼロ・アンプグロー回路を搭載しています。長時間露光の際でもアンプグローの影響を受けずに撮影が行えます
量子効率
量子効率のピーク値は最大80%以上に達します。
ガイドセンサー
ガイド用の撮像素子は解像度1,920×1,080、ピクセルサイズ4μm、センサーサイズ7.68×4.32mmのモノクロCMOSセンサーで、ピーク値の量子効率が92%の高い感度を持ちます。一般的なガイド用カメラの撮像素子よりもやや大き目で感度も高いので、焦点距離が長めの鏡筒やF値の大きな鏡筒でもガイド星が比較的捉えやすくなっています。
量子効率
量子効率のピーク値は最大92%(500nm)に達します。
本体機能
結露防止ヒーター
保護ガラスへの結露防止のためヒーターを内蔵しています。消費電力は5Wで、制御ソフトウェアから作動/停止の切り替えが可能です。
ダークノイズ
CMOSセンサーを外気温よりも30〜35℃程度下げることができる2段階TEC冷却を搭載しています。これにより長時間露光時でもノイズの派生を大幅に抑えられます。
バッファメモリ
搭載されているDDR3仕様の512MBバッファメモリにより安定したデータ転送を実現します。また、USB2.0ポート使用時での転送速度が遅い場合に発生するアンプ・グローの問題を最小限に抑えることができます。
各種インターフェース
この画像はイメージです
PCとの接続はUSB3.0で行え、最大解像度時でも6.fpsのデータ転送を行えます(16bit時)。USB2.0のハブも備えており、フィルターホイール等の接続が行なえます。冷却機構は二段ペルチェ式で、外気温より35℃下げることができます。作動には十分な容量を持つDC12Vの外部電源が必要です。電源、電源ケーブルは付属しませんので必要に応じてお求めください。カメラの電源端子は外径5.5mm、内径2.1mmの中プラスのジャックが装備されています。電流が最大3A必要なためバッテリーの場合は十分な放電容量のあるものをご用意ください。ACアダプターを使用する場合は5A程度の電流容量のものを推奨いたします。
保護ガラス
保護ガラスはIR/UVカットフィルターを採用しています。可視光線のみ透過するフィルターなので別途フィルターを使用しなくてもカラーバランスの整った画像で撮影できます。
システムチャート
鏡筒との接続は様々な方法で行えます。カメラに標準付属の部品ではM48P0.75ネジで接続できます。他にも別売のフィルターホイールやマウントアダプター等を併用する方法も可能です。マウントアダプター併用時はキヤノンEFマウント用かニコンFマウント用に限られますが、カメラマウントの取り付けられた鏡筒やカメラ用レンズ(※絞りやピントリングの操作に制限がある場合があります)に取り付けることも可能です。詳しくは冷却カメラシステムチャート(4)を参照してください。
主な仕様
メインセンサー
センサー：Sony IMX571(カラー)
センサーサイズ：23.5mm×15.7mm(APS-Cサイズ)
解像度：6,248×4,176(26MP)
ピクセルサイズ：3.76μm×3.76μm
最大解像度でのフレームレート：6.1fps(16bit、USB3.0)
シャッター：ローリングシャッター
露出時間：32μs-2000s
リードノイズ：0.9-4.2e
量子効率ピーク：80%
フルウェル容量：通常時50ke、拡張モード時73ke
A/Dコンバータ：16bit
ガイドセンサー
センサー：SC2210(モノクロ)
センサーサイズ：7.68mm×4.32mm(1/1.8")
解像度：1,920×1,080(2MP)
ピクセルサイズ：4μm×4μm
シャッター：ローリングシャッター
露出時間：32μs-10s
リードノイズ：0.6-3.2e
量子効率ピーク：92%(500nm)
フルウェル容量：8.78ke
A/Dコンバータ：12bit
本体
バッファメモリ：512MB DDR3
USBポート：USB3.0 Type-B(PCへの接続用)、USB2.0 Type-A×2(周辺機器接続用ハブ)
保護フィルター：IR/UV CUT
鏡筒への取付：M54P0.75ネジ込み、M48P0.75ネジ込み
大きさ：90mm×97.1mm(突起部を含まず)
質量：715g
フランジバック：17.5mm
冷却：2段階TEC冷却
電源：DC12V、最大3A
電源端子：外径5.5mm/内径2.1mm/中プラスのDCジャック
付属品：ケース、USB3.0 ケーブル(2m)、USB3.0 ケーブル(0.75m)、USB2.0 ケーブル(0.5m)×2、M54-M54延長筒：21mm、M54-M54延長筒：16.5mm、M54-M48変換リング、六角レンチ、キャップ、クイックガイド
※動作には別途DC12Vの十分な容量を持つ電源が必ず必要です。冷却を行わない場合でも必要になり、USBのバスパワーでは動作しません。ドライバは
ZWO社のWEBサイトからダウンロードしてご使用ください。撮影用のソフトウェア等も必要に応じてダウンロードするか、対応する市販ソフトウェアをお求めください。このカメラはPC等から制御する必要があります。カメラ単体では撮影できません。オートガイド用のモジュラー端子は搭載されていません。内蔵のガイド用センサーを用いたオートガイドを行う際はPCと赤道儀を接続するケーブルを介して制御する「パルスガイド」で行います。長い焦点距離を持つ鏡筒での撮影時やナローバンドフィルター等を併用する撮影の際は内蔵ガイドチップ上にガイド星を見つけられない可能性があります。鏡筒への接続規格はASI2600MC/MM Proとは異なりM54ネジになります。お使いの機材をご確認の上接続してください。
メーカーの方針により付属品の外観が予告なく変更される場合がございます。あらかじめご了承ください。
